スマートシティに関連する事業者・有識者の方にお話を伺うインタビューシリーズ、City&Tech CHANNEL。

今回は一般社団法人データ流通推進協議会 理事、株式会社ウフルCDTO (Chief Data Trading Officer)の杉山 恒司さまにインタビューを行いました。

日本のシステムの問題と街でのデータの位置付け

Q:スマートシティでは、どのようにデータを活用するのか?

<杉山さま>
ひとことで表現するのならば、街が体、と例えると、データは血液。私も50歳を過ぎて、血管が詰まってきたり、いろいろな問題が出てくるが、街も同じこと。毎日毎日、何年も何十年も、街ですから何百年も最初に作られた体のように、元気に動かさないといけない。

どんなシステムを作ろうと、未来のシステムができようと、そこに蓄積されたものが回ってこそ、街は活きる。データが一番重要であり、データを活用する、という質問自体おかしい。データが中心になり、データが回る仕組みをどのように作るか。

日本のスマートシティの実現に向けて、何年も課題として言われてきたことがある。サービス、それを実現するシステム。この再利用、横展開について、分野や組織ごとに個別特化したシステムになっていた。

自分もシステム屋としていろいろ作ってきたが、オーダーメイド的なものを作ることは、日本のシステム開発の特権だった。そのため、例えば「OO県で作られた素晴らしいサービス」など、システムが話題になっても、隣の県に持っていけない。また、ほぼほぼ1から作らないといけないことが往々にしてあった。

例えば、0からの世界じゃなく、何年もITが導入されいろんなシステムがある。1つの街も、色々な業者が作成したシステムが稼働している。それを全部新しいシステムを作る、というのは現実的ではない。

何をするべきかというと、バラバラに作られたシステムをデータ化しないといけない。あるいは分野間データ連携が必要。そのためのサービス・システムを構築しないといけない。

3つ目として、拡張性の低さが問題。機能拡張することにコスト、労力が非常にかかる。そのための予算もあり、継続的にシステムを利用できなくなる課題がある。

なので、日本のスマートシティの実現には、先ほど申し上げたように、相互運用(つながる)、データ流通(流れる)、拡張性(続けられる)を特徴として、設計する必要がある。

まずデータにどういうものがあるか洗い出すことが、自分たちのスマートシティを考える上でいいかもしれない。

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