City&Tech CHANNEL:都市モデルの横展開で留意する点とは – 落合 孝文さま⑤
スマートシティに関連する事業者・有識者の方にお話を伺うインタビューシリーズ、City&Tech CHANNEL。
今回は渥美坂井法律事務所・外国法共同事業 パートナー弁護士の落合 孝文さまにインタビューを行いました。
都市モデルの横展開で留意する点とは
Q:国内外に横展開するにはどうすればいいか?
<落合さま>
国内外では、置かれている環境も違っていたり、住んでいる方の思考も変わってくる部分があると思っている。
都市である竹芝で行ったモデルを、例えば地方でそのままやっても嬉しくない場合もある。実際にそのままパッケージでまるごと移行させられるかどうか、というのは、物にもよると思うが、できないものもあると思う。
どちらかというと、ある種の全体パッケージではなく、モジュール的な1つのまとまりの機能の整備をする、というレベルで、1つの都市でやったことを、他の都市で利用できる、という動きも出てくるのではないかと思う。
竹芝プロジェクトを行う際にも、竹芝でどうしたいか、というだけでなく、仮に他の場所に持っていけるようにするために、どういう部分で切り出したり、一部は使ってもらったり、且つ、どういう形でモディファイしていくか、展開先の現地に合わせることができるのか、ということがあると思う。
また、海外への展開を考える場合、日本国内でこういった議論をしていると、日本人だけの視点になってしまう。ヨーロッパでは、国境を越えることが容易なため、国境を超えた活動も見据えやすい部分があると思うが、島国である日本では、海外へ展開が意識されない場合がある。
そのため、意識的に海外の声を聞き、色々な国の人たちがどういうものを望んでいて、どういう状況にあるのか、最初のうちからしっかり意識したうえで、世界的に見た場合に、色々な国に持ち込んで行きやすい形は、どういうことなのか、考えながら作っていくのも大事なのではと思う。