「テクノロジーのショーケース City & Tech シンポジウム 2019」第1部レポート
開催概要
先端技術をまるごと集積させた都市を世界に先駆けて作るべく、発足したCity&Tech(CT)委員会の活動、成果を知ってもらうためのイベント「テクノロジーのショーケース City & Tech シンポジウム」を11/12(火)に開催いたしました。
>>
第2部レポートはこちら
日時:2019年11月12日 (火) 16:00〜18:05
場所:慶應義塾大学三田キャンパス 東館8Fホール
登壇者
第1部「City & Techとは」
- 川原圭博
- 東京大学
- 安倉一徳
- タニコー株式会社
- 田中敦典
- 東急不動産株式会社
- 中村伊知哉
- CiP協議会
- 石戸奈々子
- CT委員会(ディスカッションモデレーター)
第2部「データ流通基盤と情報銀行」
- 生貝直人
- 東洋大学
- 米津雅史
- 東京都
- 関治
- ソフトバンク株式会社
- 中川裕志
- 理化学研究所
- 落合孝文
- 一般社団法人データ流通推進協議会
- 中村伊知哉
- CiP協議会
- 石戸奈々子
- CT委員会(ディスカッションモデレーター)
第1部「City & Techとは」
「Tech Pop 特区 CiP」 CiP協議会 中村伊知哉
Tech Pop特区をつくるCiP。
テクノロジーを街でまるごと実装するcity&tech構想の3つの横展開として、愛知県StationAi・カタルーニャ バルセロナとの提携・上海のメディアシティ。
今回の議論を深掘りし日本・海外へ広げていく。
「City & Tech」 CT委員会 石戸奈々子
先端技術を全て実装し、最先端の街をつくっていくCity&Tech委員会。
ロボット、スマートモビリティ等8軸の実装をベースにしたスーパーシティ構想を実行中。
今回のシンポジウムに関連したイベント「ちょっと先のおもしろい未来」2020/7/4-5に開催する。
「竹芝におけるCity & Tech」 東急不動産株式会社 田中敦典
竹芝の大型再開発プロジェクト:東京ポートシティ竹芝 オフィスタワー/レジデンスタワー。
街づくりのフロントランナーを目指し、基盤(官民連携、オープンでフラットな街等)、資源(海の玄関口、多様なプレイヤー等)、実験実証の場(先端技術での実証実験、スマートシティ構想等)といった3つの要素を挙げた。
また、CT委員会の8軸に関して、竹芝夏ふぇすでのロボット実証実験や、遠隔操作ロボットによる小笠原遠隔旅行体験、町中デジタルアートとして芝離宮夜会等の開催、実装についてお話しいただいた。
今後の展開として、ソフトバンクとのスマートシティ共同開発、竹芝CiPスーパーシティ構想案の実装を今後も進めていく、とお話しいただいた。
「スマートシティにおけるインフレータブルモビリティpoimoの可能性と展望」 東京大学 川原圭博
研究テーマである「柔らかいロボット」が世の中に役立つシナリオを考え、「やわらかく安全、軽く変形可能で、持ち運べる」というコンセプトからPoimoが生まれた。
また、パーソナルモビリティの課題として挙げられる充電問題(設置等メンテナンスコスト、バッテリー効率、設置コスト)に対して、非接触の無線給電技術・システムを利用することで、パーソナルモビリティのシェアリングサービスが実現可能になる、といった内容についてお話しいただいた。
「サービスがやってくる」 タニコー株式会社 安倉一徳
竹芝夏ふぇすでの「コンパクトキッチン」「追従運搬ロボット」の実証実験の実現に向けた取り組みについてご紹介いただいた。
「ロボット+サービス」=サービスがやってくる、という目的を立て、わくわく感+未来感を演出するインパクトのある大きさのりんご型コンパクトキッチンを考えた。また、木に実ったりんごをモチーフにした自動追従運搬ロボットによって、お客様の元へサービスがやってくるコンセプトを実現した。
また、実証実験によって見えてきた「営業許可の規制(臨時出店許可)・兼用するためのスペース不足・インフラの充実(給排水設備、電気設備)」といった課題についてもお話をいただいた。
ディスカッション
細切れの実証実験でなく、すべての実証実験を1つの街で行うことを目的とするCT委員会。
○ 石戸:なぜpoimoをつくった?
川原:柔らかいロボット、無線給電の研究成果の活用を考える中で作った。いままでにないスペックのものを作りたかった。
○ 石戸:テクノロジーと街の未来は?
安倉:街の特性をいかしたものをつくりたい。
○ 石戸:街で運用していくことでどういう風に変えられるか?
川原:街っておもしろい。様々な目的を持った人がいるので、すべての人にどう捉えられるか、考えることは難しいがおもしろい。
○ 石戸:テクノロジーをどのように見ているか?
田中:ロボットは人の代替になるといわれるが、それだとあまりおもしろくない。話すロボット等普及するきっかけになれば。
○ 石戸:テクノロジーでの街づくりとは?
中村:新しいテクノロジーが全て実装できる街にしたらおもしろい。8つの軸も思いつきだが、実際にやろうという人が集まった。世界にもここまで集まっている街はない。
○ 石戸:実装で苦労したことや思うことは?
安倉:規制や課題があったが、各所の協力があって実現した。
川原:公道においてpoimoは速度的には原付きになってしまうが、今回の実証では閉じた空間の中ということで、特別に許可を頂いている。走っている場所を認識して自動で速度制限をかけるなど、技術の進化により、規制を気にすることがないようにしたい。
田中:安全を司るところの規制が厳しい。が、とりあえずやってみるが大事。規制の中でどこまで突破できるか。
○ 石戸:社会が受け入れてくれる?
川原:「安全そう」が大事。正しく伝えるのは難しいが、安心感が伝わらないといけない。
○ 石戸:規制緩和?
中村:竹芝CiPは国家戦略特区だから、みんなやってみようよ!というカードをうまくつかいたい。そういうことをやって叱られて謝る。どんどんやろう。一つ一つ実態を示していけば窓は開く。東京都も理解を示してくれている。規制より、その先が大変。使う方が安心だと思ってもらうまでやり続ける。
○ 石戸:どういうプレイヤーを巻き込むといいか?
川原:東京都
安倉:東京都・地域の方々自身
田中:東京都・港区
中村:お金を持ってる人たち(金融)、実際に使うユーザー、海の関係者
○ 石戸:モビリティの在り方とは?
川原:モビリティはいまアツい。新しいプレイヤーが参入してくる余地がある。
○ 石戸:ロボット社会の在り方とは?
安倉:ロボットは人の代わりでない。ロボットと共存する。
○ 石戸:これからの街づくり?
田中:テクノロジー・先端技術の利便性を示し続ける。体感してもらう。テクノロジーを活かした街づくりに必要。
○ 石戸:CTに期待することは?
田中:民間の集まりであって、民間でない。CiP協議会が先頭を歩いてほしい。
安倉:産官学連携で実装を続けてほしい。
川原:新しいサービスがでるのでいろんなチャンスがある。色んな会社が入るチャンスがあるので、ぜひいろんな人に入ってほしい。